史上最高額のヴィオラ!
- 栗原ヴァイオリン・ピアノ教室
- 5月2日
- 読了時間: 2分
先日、ストラディバリウスのヴァイオリンが史上最高額の34億円で落札、というニュースを聞いてのけぞってしまったところですが、さらにその上をいくストラディバリウスの楽器が現れました。なんと…約43億円! ただし今回はヴィオラでした。メディチ家が弦楽五重奏用としてセットで注文した、1690年製の楽器です。ストラディバリウスの現存するヴィオラは10挺ほどと言われていますが、その中でも状態の優れたものとのこと。
ストラディバリウスはヴァイオリンに加え、ヴィオラやチェロも制作しましたが、同じく有名なヴァイオリン職人のグァルネリは、ヴァイオリンしか作りませんでした。
私はストラディバリウスを試奏させていただくという、幸運に恵まれたことがあるのですが、持ってみた感じは「こぶりだな」という印象でした。不思議とスルスルと音が奏でられ、その後一カ月くらい、自分の楽器でも絶好調の状態が続いたものです。
ヴァイオリン本体はもちろん、弓もとっても大事です。
これまたトルテやペカット、サルトリといった名工の弓を試奏すると、難しいテクニックも軽々とこなせるし、自分の出す音に酔いしれてしまいそうに(!)
良い弓というのは、音色、操作性、音量などの、あらゆる要素のバランスが良いもののことを言うのかな、と感じました。お店で生徒さんの弓を選ぶ時などは、予算の範囲内で、可能な限りバランスの良いものをチョイスするように心がけています。
さて、冒頭のメディチ家のヴィオラですが…「なにか聞き覚えがあるな?そういえば…」とヴィオラケースを開けてみると、なんとそこにあるではありませんか!!
いえ、本物ではなく、楽器保護用のエルメスのヴィオラ柄スカーフなのですが。
よく見ると、“ Viola Medici”と書いてあります。今回の楽器がモデルだったんですね!
スカーフの販売サイトなどでは「ヴァイオリン柄」と書かれていることが多いのですが、実はヴィオラなのです。周囲にはバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ第三番のヴィオラ版、シューマンの「おとぎの絵本」の楽譜が緻密に描かれています。
