新型コロナの影響でコンサート開催が難しくなり、数カ月がたちました。
いまだに終息が見えてこない今、当たり前に演奏会を楽しんでいた日々が無性に懐かしくなります。
数年前のある秋の日、元生徒さんのK君から、彼が所属する大学オーケストラの演奏会の招待状をいただきました。
K君は小さい頃にヴァイオリンを始め、大学受験に専念するまでずっとレッスンを続けていました。 レッスンを終えて急いでホールに駆け付けると、すぐに開始ベルが鳴り、ステージ上に続々と演奏者が出て来ました。ほどなく一曲目の演奏が始まり、私はK君の姿を探してヴァイオリンのセクションを見回したものの、それらしい人はいません。 いったいK君はどこだろう、それにしてもあのコンサートマスター、とても上手いなぁ… 一息ついてふとプログラムを見ると、なんとコンサートマスターの欄にはK君の名前が! えっと思いつつまじまじとコンサートマスターを見ても、とてもK君には見えません。 でもあの楽器、あの顎当てには見覚えがある!すごく大人になっているけど、確かにあれはK君に違いない。
そのまま彼のコンサートマスターぶりに見惚れ、終演後に数年ぶりの会話を楽しむことが出来ました。大学のオーケストラサークルでは良い指導者の先生に巡り合え、音楽のある人生を最高に楽しんでいる様子が伝わって来ました。 そんな彼もこの春就職し、このコロナ禍の中で頑張っているようです。 今は仲間との演奏を楽しむ機会を持つことも難しいですが、きっとまた音楽を通して多くの人と触れ合える時が来ることを信じています。
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