♪レーソラシド レーソッソッ
ミードレミファ ソーソッソッ♪
皆さまもきっとどこかで聴いたことのあるこのメロディー。
ラバーズ・コンチェルトというタイトルのポップスにもアレンジされていますね。
ヴァイオリンやピアノのレッスンでもお馴染みの一曲です。
これはバッハのメヌエットね!
…と弾いたことのある人ならすぐお分かりでしょう。
しかし、最近は作曲者名の欄に“ぺツォールト”と書かれていることが…
え、どっちなの?
近年の研究によると、この有名なメヌエットは、実はクリスティアン・ぺツォールトというバロック時代の作曲家の作品らしいのです。
なぜバッハの曲だと信じられてきたのでしょうか?
それはバッハが、妻のために書いた「アンナ・マグダレーナのための音楽帳」という練習曲集の中に、このペツォールトの書いたメヌエットを入れたからだと言われています。
ずっと有名な作曲家の作品と信じられてきた曲が、実は別人の作品だったということは
よくあることのようです。
例えばハイドンのセレナーデ。
これはハイドンの信奉者であったホフシュテッターが、ハイドンの様式を真似て作曲したものと言われています。
お次はカッチーニのアヴェ・マリア。
シューベルト、グノーのアヴェ・マリアと共に三大アヴェ・マリアなどと呼ばれ、近年とても人気がありますね。
これも実は1970年代にロシアの作曲家ヴァヴィロフによって作られた曲。
ヴァヴイロフはよく、昔の作曲家のフリをして曲を作ることがありました。
そう言われてみれば、とても16世紀の音楽には聴こえない!
ヴァイオリニストのクライスラーも、同じようなイタズラ心を発揮させて、昔の有名な作曲家の未発見の作品として、自作を発表したりしていました。
発表会やコンサートのプログラムには、どちらの作曲家名を書こうか、迷ってしまうこともあります。
常に研究が続けられ、新しい発見が次々と出てくるクラシック音楽界。
もしかすると、陰の作曲者がまだまだいるかもしれませんね!
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