ヴァイオリン指導者のためのフォルマシオン・ミュジカルのワークショップに参加して来ました。
皆さまはフォルマシオン・ミュジカルという言葉を聞いたことがおありでしょうか?
フォルマシオン・ミュジカルとは「音楽の養成」という意味のフランス語で、フランスの文化省が1978年に制定した音楽教育システムです。
フォルマシオン・ミュジカルでは、いわゆる「ソルフェージュ」「聴音」「音楽理論」「音楽史」「楽曲分析」「即興」といった内容を個別の教科で学ぶのではなく、実際の音楽作品に様々な角度からアプローチして、総合的で実践的な音楽力を身に着けていきます。
自分が演奏する楽器のことや曲しか知らない、という演奏者が多くなったため、様々な楽器や異なるジャンルの音楽についても幅広く知ることが出来て、演奏者としても、また良い耳を持った聴衆としても育つことが出来る教育プログラムが作られたようです。
フォルマシオン・ミュジカルの授業は3歳からスタートするようですが、子ども向けのテキストには、作曲者の肖像画やその国の風景、民族衣装や食べ物なども登場して、自然に音楽に親しめる工夫が満載でした。現在、なんと約1800種類の教科書が出版されているそうです。
西洋のクラシック音楽は現地の伝統文化から発達したものであり、日本人にとってはキチンと学ばないと分からないこともたくさんあります。
例えば、「メヌェット」と「ワルツ」、どちらも3拍子の舞曲ですが、どういう違いがあるのでしょうか? ヴァイオリンの先生方も、この質問には一瞬タジタジ…!
落ち着いて考えてみると、時代も違い、踊っていたのは貴族か民衆か、ステップの違いによる拍子の感じ方の違い…など、いろいろな違いがあります。
限られたヴァイオリンのレッスンの時間内では、なかなかフランスと同じようには行きませんが、レッスンで弾く曲の作曲家や時代背景などについて知るだけでも、音楽を生きたものにしていけるかと思います。
バルトークのヴァイオリン二重奏「44のデュオ」より「蚊の踊り」。今回はこの曲を題材に様々なリズム課題に取り組みました。蚊のうなりのような独特のリズム!
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